「データ活用のための数理モデリング入門」で、アイデアを数式に落とし込む

データ活用のための数理モデリング入門

データ活用のための数理モデリング入門

「データ活用のための数理モデリング入門」をご恵贈いただきましたので、このブログで紹介したいと思います。私は著者の一人からお声がけいただき出版前に原稿をレビューさせていただく機会がありましたので、実はあとがきにこっそり名前が載っていたりします。

本書について

この本は、ビジネスにおける様々な課題を数理モデリングを通じて解決するための入門書です。ビッグデータから人工知能/AIへと言葉を変えつつも、世の中の流行として注目され続ける企業のデータ活用ですが、どういったデータに対して何をするかという活用の実態は多種多様です。ECサイトにおける商品のレコメンドに始まり、広告配信の配信の最適化や業務効率化、または社内に眠っている情報を素早くアクセスできるようにする検索技術であったり、データから新たな知見を生み出すデータマイニングといったものもあります。企業によって使えるデータが違えば課題も異なり、データ活用という言葉が意味するものも異なってきます。その活用へのアプローチとして用いられる技術が「数理モデリング」です。

そういったビジネスにおける数理モデリングを解説した入門書が「データ活用のための数理モデリング入門」です。

イデアを数式に落とし込む

私も機械学習エンジニアとして様々な案件に携わるなかでもっとも重要な技術だと感じるのが、本記事のタイトルにも示した「アイデアを数式に落とし込む」ことです。ECサイトの商品レコメンドを例に考えてみましょう。なにかユーザがもっと商品を買うようなレコメンドをしよう!と思ったとき、あなたは何を考えるでしょうか。

  • 売れている商品をおすすめしよう
  • ユーザが前に買った商品と似ている商品をおすすめしよう
  • 今後人気が出て売れそうな商品をおすすめしよう

レコメンドに詳しくない人でも、こういったアイデアはパッと出せると思います。では、このアイデアをどう具現化すれば良いでしょうか。売れている商品ならば集計すれば簡単に出せるかもしれないですが、ある商品に似ている商品ってなんだ?と考えた時に、どう「似ている」を表現しましょう?色が似ている、形が似ている、ブランドが似ている、といろいろな似ているがありますが、ユーザに次に購入してもらうための「似ている」というのは、意外と考えるのが難しいものです。とあるマンガの最新刊という商品を考えた時に、ある意味一番似てそうなのは同じマンガの一つ前の巻ですが、最新刊を買う人はその前の巻も持ってそうなのでレコメンドしても効果は薄そうです。また、今後人気が出て売れそうというのも、未来のことを予測しなければいけないので難しいですよね?人間が全部の商品の売上を毎日チェックして予想するのは大変ですし、予測を当てることは賭博のようなものです。

こうした時に強力なツールとなるのが「数理モデリング」です。数理/数学と聞くと拒否反応が出てしまう人もいるかもしれませんが(わたしもです!)、アイデアを形にするときにすべてを数字の上で表現することが、ビジネスにおける活用の第一歩です。似ている度合や売れ行きの予測を、自分なりの考えを数式に落とし込んで、ようやくビジネスやサービスに活用できる形になります。

この本は、数理モデリングを道具として使いこなす上で、その手助けとなる本と言えます。

イデアを形にしたい人におすすめ

本書は実務で数理モデリングをおこなう必要がある人はもちろんのこと、ビジネスサイドでデータ活用を推進する立場の人にもおすすめできます。数学的に難しいところは読み飛ばしてもらいつつ大雑把に全体感を掴むことができれば、数理モデル屋さんがどういった観点でデータを捉え、予測や最適化をしようと考えているかが理解できると思います。データ活用の具体事例も豊富に出てくるので、こういう分析をやりたいと思った時に逆引き的にも使えます。

データ活用に困った際は、ぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか?